前回の記事では決算書の読み方についてご説明しました。今回はフェーズ2「配当投資の深掘り」として、長期投資家にとって特に魅力的な連続増配株と累進配当について解説します。
「配当金を毎年増やし続けてくれる会社ってあるの?」「どうやって見つければいいの?」という疑問をお持ちの方にぴったりの内容です。
連続増配株とは?
連続増配株とは、毎年配当金を増やし続けている企業の株式のことです。
たとえば10年連続で増配している企業は、10年間一度も配当を減らすことなく、毎年少しずつ配当金を増やし続けてきたということです。これは企業の業績が安定して成長しており、株主への還元意識が高い証拠といえます。
連続増配株の魅力
① 受け取る配当金が毎年増える
最初は配当利回りが低くても、増配が続くことで購入時の株価に対する実質的な利回り(YOC:Yield on Cost)がどんどん上がっていきます。
具体例
- 購入時の株価:2,000円
- 購入時の年間配当:60円(利回り3.0%)
- 10年後の年間配当:120円(利回りは変わらずも、購入価格に対しては6.0%)
長期保有するほど、購入時の株価に対する実質利回りが高まっていくのが連続増配株の最大の魅力です。
② 株価が上がりやすい
増配が続く企業は業績が安定しているため、投資家からの評価が高まり株価も上昇しやすい傾向があります。配当金と値上がり益の両方が期待できます。
③ 企業の信頼性が高い
長期にわたって増配を続けるためには、安定した業績と健全な財務が不可欠です。連続増配年数が長いほど、企業の信頼性の高さが証明されているといえます。
筆者メモ 私が銘柄を選ぶ際に重視しているポイントのひとつが連続増配です。毎日1株ずつ購入を続けている中で、増配のニュースが届くたびに「着実に前進している」と実感できます。配当金100万円という目標に向けて、増配株の積み上げは非常に心強い戦略です。
累進配当とは?
累進配当とは、企業が**「配当を減らさず、毎年維持または増配する」という方針を公式に宣言している制度**のことです。
連続増配株と似ていますが、累進配当は企業が方針として明示しているため、より強いコミットメントといえます。
累進配当を宣言している企業の例(日本株)
日本でも累進配当を方針として掲げる企業が増えています。代表的なのは総合商社や大手通信会社などで、長期投資家から高い人気を集めています。
連続増配と累進配当の違い
| 連続増配株 | 累進配当 | |
|---|---|---|
| 定義 | 実績として毎年増配している | 方針として減配しないと宣言 |
| 根拠 | 過去の実績 | 企業の公式コミットメント |
| 安心感 | 実績ベースの信頼 | 方針ベースの約束 |
どちらも長期投資家にとって魅力的ですが、累進配当は企業が正式に宣言しているため、減配リスクがより低いと判断できます。
連続増配株を選ぶときのポイント
① 連続増配年数を確認する
10年以上連続増配している企業はリーマンショックやコロナ禍などの経済危機を乗り越えてきた実績があり、信頼性が高いといえます。
② 配当性向が適切か確認する
増配を続けるためには配当性向が無理のない水準である必要があります。配当性向が70%を超えている場合は、今後の増配余力が限られる可能性があります。
③ 業績が安定して成長しているか確認する
EPSが毎年増加しているかどうかを確認しましょう。EPSの成長が増配の原動力になります。
④ 自己資本比率が十分か確認する
財務基盤が弱い企業は、業績が悪化したときに増配を維持できなくなるリスクがあります。
YOC(Yield on Cost)とは?
YOCとは**Yield on Cost(取得原価利回り)**の略で、購入時の株価に対して現在の配当金がどれくらいの利回りになるかを示す指標です。
計算式
YOC(%)= 現在の年間配当金 ÷ 購入時の株価 × 100
具体例
- 購入時の株価:1,000円
- 現在の年間配当金:50円(購入当時は30円だったが増配が続いた)
YOC= 50円 ÷ 1,000円 × 100 = 5.0%
購入当時の配当利回りが3%だったとしても、増配が続けばYOCは5%・6%と上がっていきます。長期保有×連続増配の組み合わせが、いかに強力かがわかります。
連続増配株・累進配当銘柄はどこで確認できる?
- SBI証券:スクリーニング機能で連続増配年数を絞り込み可能
- 楽天証券:銘柄スクリーニングで増配実績を確認可能
- Yahoo!ファイナンス:銘柄ごとの配当履歴を確認可能
- 株探(かぶたん):連続増配ランキングや配当履歴を確認しやすい
- 会社四季報オンライン:銘柄ごとの配当推移データを掲載
まとめ
- 連続増配株は毎年配当金を増やし続けている企業の株式
- 長期保有することで**YOC(取得原価利回り)**がどんどん上がる
- 累進配当は企業が「減配しない」と公式に宣言した方針
- 選ぶ際は連続増配年数・配当性向・EPS成長・自己資本比率を合わせて確認
- 長期投資×連続増配の組み合わせは配当収入を着実に積み上げる強力な戦略
連続増配株と累進配当を理解すると、配当投資の視野が大きく広がります。次回は「権利確定日・権利落ち日の攻略法|配当をもらうための日程管理」についてわかりやすく解説します。
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