2026.10.12【初心者向け】安定配当が魅力の通信・インフラ株|ディフェンシブ株の特徴と選び方をわかりやすく解説

前回の記事では累進配当で人気の総合商社株をご説明しました。業種深掘りシリーズの第3弾となる今回は、通信・電力・ガスといったインフラ株を取り上げます。

銀行株や商社株が景気や金利・資源価格の影響を受けやすいのに対し、インフラ株は景気に左右されにくい「守り」の銘柄として知られています。ポートフォリオのバランスを考えるうえで欠かせない業種です。


インフラ株とは?

インフラ株とは、私たちの生活や経済活動を支える基盤(インフラ)を提供する企業の株式のことです。

分野主な事業主な企業の例
通信携帯電話・光回線・データ通信NTT、KDDI、ソフトバンク
電力発電・送電・電気の小売各地域の電力会社
ガス都市ガスの製造・供給東京ガス、大阪ガス、東邦ガス

※企業名は代表的な例で、特定銘柄の推奨ではありません。

スマートフォン、電気、ガスは、景気が良くても悪くても毎日使います。この**「需要が安定している」**ことが、インフラ株の最大の特徴です。


ディフェンシブ株とは?

第13回・第27回でも触れましたが、景気に左右されにくい業種の株をディフェンシブ株と呼びます。「ディフェンシブ」は「守り」という意味です。

景気敏感株(自動車・鉄鋼・商社など)
 → 好景気に大きく伸び、不況期に大きく落ちる

ディフェンシブ株(通信・電力・ガス・食品・医薬品など)
 → 好景気でも大きくは伸びないが、不況期にも落ちにくい

株価の値上がりで大きく儲けるのには向きませんが、安定した配当を長く受け取りたい配当投資家にとっては、ポートフォリオの土台となる存在です。


通信株の特徴

① 毎月の利用料で安定して稼ぐ

携帯電話や光回線は、毎月決まった料金を受け取るストック型(積み上げ型)のビジネスです。契約者が大きく減らない限り、収益が安定します。

② 株主還元に積極的

大手通信会社は、連続増配や自社株買いなど株主還元に積極的なことで知られています。配当方針を中期経営計画で示している会社もあり、配当の見通しを立てやすいのが特徴です。

③ 少額から買いやすい銘柄もある

第26回で解説した株式分割を行い、1単元(100株)でも少額で買えるようになった銘柄もあります。毎日コツコツ購入するスタイルとの相性が良いのも魅力です。

通信株の注意点

  • 料金引き下げの圧力:政府の方針や競争の激化で、通信料金が下がると収益に影響します
  • 新規事業への投資:金融・エネルギー・データセンターなど通信以外の事業への投資がうまくいくかも確認が必要です
  • 競争の激化:格安プランや新規参入など、競争環境の変化に注意しましょう

電力株の特徴

① 生活に欠かせない電気を供給

電気はあらゆる生活・産業の基盤です。需要そのものは景気に大きく左右されません。

② 燃料価格の影響を受けやすい

火力発電の燃料(LNG・石炭・石油)の価格が上がると、コストが増えて利益を圧迫します。電気料金に燃料費を反映する仕組みはありますが、反映までに時間差があるため、一時的に業績が大きく振れることがあります。

③ 過去には大幅減配・無配の歴史も

2011年の東日本大震災と原発事故の後、多くの電力会社が大幅な減配や無配に追い込まれました。「インフラ=絶対に安全」ではないことを示す教訓です。

電力株の注意点

  • 燃料価格・為替の変動で業績が大きく振れることがある
  • 原子力発電所の稼働状況が業績に影響する
  • 大規模災害のリスク
  • 設備投資が大きく、有利子負債が多い傾向がある

ガス株の特徴

① 地域独占に近い安定した事業

都市ガスは、地域ごとにガス管を通じて供給されるため、地域に根ざした安定したビジネスです。

② 電力と同じく原料価格の影響を受ける

原料のLNG価格が上がると、ガス料金に反映されるまでの時間差で一時的に業績が悪化することがあります。

③ 配当は安定志向の会社が多い

大手ガス会社は安定配当を重視する傾向があり、急な増配は少ないものの、大きな減配も比較的少ない業種です。


インフラ株と金利の関係

インフラ株を持つうえで知っておきたいのが、金利との関係です。

① 有利子負債が多い

発電所・送電網・通信設備・ガス管など、インフラ事業には巨額の設備投資が必要です。そのため借入金が多く、金利が上がると利払いの負担が増えます。

② 「債券の代わり」として見られやすい

安定した配当を出すインフラ株は、債券に近い感覚で買われることがあります。金利が上がって債券の利回りが魅力的になると、相対的にインフラ株の魅力が下がり、株価が下がりやすくなる傾向があります。

金利上昇 → 利払い負担の増加 + 債券との比較で魅力低下 → 株価にマイナス

第22回で解説した銀行株とは、金利に対して逆の動きをしやすいという点も覚えておくと、ポートフォリオのバランスを考えるのに役立ちます。

業種金利上昇時の影響(一般的な傾向)
銀行株利ざや拡大でプラスになりやすい
インフラ株利払い増加でマイナスになりやすい

インフラ株で見るべき指標

指標確認ポイント
配当利回り3%以上が目安。安定性も合わせて確認
配当方針連続増配・累進配当・配当性向の目安を公表しているか
配当の推移過去10年程度で大きな減配がないか
営業キャッシュフロー安定してプラスか(第7回参照)
有利子負債増えすぎていないか、金利上昇の影響はどの程度か
自己資本比率業種平均と比べて極端に低くないか

※電力会社は設備が大きいため、一般企業より自己資本比率が低くなりやすい業種です。同じ業種内で比べるようにしましょう。


ポートフォリオでのインフラ株の役割

ここまでの業種深掘りシリーズをまとめると、それぞれの業種には次のような役割があります。

業種特徴ポートフォリオでの役割
銀行・金融金利上昇に強い、景気の影響あり金利上昇局面での配当の伸び
総合商社累進配当、資源・景気の影響あり配当の成長エンジン
通信・インフラ景気に左右されにくい不況期の配当の土台

性格の違う業種を組み合わせることで、景気・金利・資源価格がどう動いても、配当金全体が大きく崩れにくいポートフォリオに近づけます。

筆者メモ 私のポートフォリオでも、通信株は景気に左右されにくい「守り」の役割を担っています。銀行や商社は配当の伸びが期待できる一方で、景気や資源価格で大きく動くことがあります。そんなときでも通信やインフラの配当は比較的安定しているので、配当金全体の目減りを抑えてくれる心強い存在です。配当金100万円を目指すうえでは、攻めと守りのバランスが大切だと感じています。


インフラ株の情報はどこで確認できる?


まとめ

  • インフラ株は通信・電力・ガスなど生活の基盤を支える企業の株式
  • 景気に左右されにくいディフェンシブ株として、配当の土台になる
  • 通信株はストック型ビジネスで安定、株主還元にも積極的
  • 電力・ガス株は燃料価格や災害の影響を受け、過去には大幅減配の例もある
  • 有利子負債が多く、金利上昇はマイナスに働きやすい(銀行株とは逆の傾向)
  • 銀行・商社などと組み合わせて、攻めと守りのバランスを取ることが大切

インフラ株の特徴を理解すると、不況にも強いポートフォリオづくりのヒントが見えてきます。次回は「株主優待とは?配当との組み合わせ方|優待の仕組みと注意点」についてわかりやすく解説します。


※この記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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2024年の新NISAから株投資を開始した56歳の会社員。
毎日必ず1株以上の日本高配当株を購入して、株投資の初心者が日々成長して配当金100万円/年を目指しています。
株投資で今まで知らなかった企業の情報と日々の株を購入した成果を皆さんに伝えていきたいと思います。

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