2026.10.4【初心者向け】高配当が多い銀行・金融株の選び方|PBR1倍割れの意味と見るべき指標をわかりやすく解説

前回の記事では「配当金100万円への道②」として中間報告をお届けしました。今回からは業種ごとの深掘りシリーズとして、まず高配当株の定番である銀行・金融株を取り上げます。

「銀行株は配当が高いって聞くけど、なぜ?」「PBRが1倍を割っているのは割安なの?」という疑問をお持ちの方に向けて、銀行株ならではの見方をわかりやすくまとめました。


銀行はどうやって稼いでいる?

銀行の収益の柱は大きく分けて2つあります。

① 資金利益(利ざや)

預金者から集めたお金を、企業や個人に貸し出して利息を受け取ります。**貸出金利と預金金利の差(利ざや)**が銀行の基本的な儲けです。

例)貸出金利 1.5% − 預金金利 0.2% = 利ざや 1.3%

② 役務取引等利益(手数料収入)

振込手数料、投資信託や保険の販売手数料、企業向けのコンサルティング料など、貸出以外で得る収入です。

近年は金利が低い時代が長く続いたため、手数料収入を伸ばすことに力を入れる銀行が増えています。


銀行株が高配当になりやすい理由

① 株価が割安に放置されやすい

長く続いた低金利で利ざやが縮小し、銀行株は市場から低く評価される時期が続きました。株価が低いぶん、配当利回りが高く見えやすいのです。

② 株主還元を強化している

東京証券取引所が「資本コストや株価を意識した経営」を企業に求めたことをきっかけに、多くの銀行が増配や自社株買いを打ち出しています。

③ 配当方針を明示している銀行が多い

「配当性向○%を目安」「累進配当」など、配当方針を公表している銀行が多く、配当の見通しを立てやすいのも特徴です。


銀行株の種類

種類特徴配当投資での見方
メガバンク規模が大きく、海外事業も展開安定感があり、株主還元も積極的
地方銀行地域に根ざした営業割安な銘柄が多いが、地域経済の影響を受けやすい
信託銀行資産管理・不動産・年金業務に強い手数料収入の比率が高い
ネット銀行店舗を持たず低コスト運営成長性重視で配当は控えめなことも

銀行株で見るべき指標

銀行は一般の事業会社とビジネスの形が大きく違うため、見るべき指標や目安も少し違います。

① PBR(株価純資産倍率)

PBR(倍)= 株価 ÷ 1株あたり純資産(BPS)

銀行株はPBRが1倍を下回っている銘柄が多いのが特徴です。これは「市場が銀行の資産を額面どおりに評価していない」という意味で、割安のサインでもあり、収益力への不安の表れでもあります。

② ROE(自己資本利益率)

ROE(%)= 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

PBRが1倍を割るのは、ROEが投資家の期待する水準(一般に8%程度とされる)に届いていないことが大きな理由です。ROEが改善している銀行は、PBRも見直されやすいと考えられます。

③ 配当性向・総還元性向

総還元性向(%)=(配当金総額 + 自社株買い額)÷ 当期純利益 × 100

配当だけでなく、自社株買いも含めた株主還元全体を見るのがポイントです。配当方針として目安の数字を公表している銀行も多いので、確認しておきましょう。

④ 自己資本比率(銀行版)は「別もの」に注意

第7回で「自己資本比率は40%以上が安定の目安」とご説明しましたが、銀行にはこの目安は当てはまりません。

銀行は預金を「負債」として持つため、一般的な計算をすると自己資本比率は数%程度になります。銀行の健全性は、国際的な規制(BIS規制)にもとづく規制上の自己資本比率で判断します。

対象求められる水準の目安
海外で営業する銀行(国際統一基準)8%以上
国内のみで営業する銀行(国内基準)4%以上

各銀行の決算資料やIRページに記載されています。

⑤ OHR(経費率)

OHR(%)= 経費 ÷ 業務粗利益 × 100

稼いだ利益のうち、どれだけを経費に使っているかを示します。低いほど効率よく稼いでいる銀行です。


金利と銀行株の関係

銀行株は金利の動きに大きく影響を受ける業種です。

金利が上がる → 貸出金利が上がる → 利ざやが広がる → 業績にプラス
金利が下がる → 利ざやが縮む → 業績にマイナス

日本では長く超低金利が続いてきましたが、日本銀行がマイナス金利を解除して以降、金利のある世界に戻りつつあります。これは銀行にとって追い風になりやすい環境です。

ただし、金利の上昇が急すぎると、保有する国債などの債券の価格が下がって含み損が出たり、借り手の返済が苦しくなったりするリスクもあります。


銀行株のリスクと注意点

① 景気悪化で貸倒れが増える

景気が悪くなると、融資先の企業が返済できなくなる「貸倒れ」が増え、利益を圧迫します。前回の景気サイクルの記事でも触れたとおり、景気の影響を受けやすい業種です。

② 金利が下がると業績が落ちやすい

金利上昇の恩恵を受けた分、金利が再び下がる局面では業績が落ち込みやすくなります。

③ 地方銀行は地域経済に左右される

人口減少が進む地域では、貸出先の減少や再編の動きもあります。地方銀行を選ぶときは、営業エリアの経済状況や再編の動向も確認しましょう。

④ 1業種に偏りすぎない

高配当株を探していると、気づけば銀行株ばかりになってしまうことがあります。銀行株は同じ要因(金利・景気)で一斉に動きやすいため、銀行株の比率を高めすぎないことが大切です。

筆者メモ 私のポートフォリオにも金融株は入っていますが、「1銘柄は年間配当の10%まで」というルールに加えて、金融セクター全体にも偏りすぎないよう意識しています。銀行株は配当利回りが魅力的に見えるぶん、つい買いたくなってしまうのですが、金利や景気が逆風になったときに一斉に下がる可能性があるからです。通信や食品など、景気に左右されにくい銘柄とのバランスを大切にしています。


銀行株を選ぶチェックリスト

チェック項目確認ポイント
配当利回り3%以上が目安。高すぎる場合は理由を確認
配当方針配当性向の目安や累進配当を公表しているか
ROE改善傾向にあるか
PBR1倍割れの理由(収益力・成長性)を確認
規制上の自己資本比率基準を十分に上回っているか
OHR経費率が低い、または改善しているか
地域・事業地方銀行は営業エリアの経済状況も確認

銀行株の情報はどこで確認できる?


まとめ

  • 銀行は利ざや(資金利益)と手数料収入で稼いでいる
  • 株価が割安に放置されやすく、株主還元強化もあって高配当になりやすい
  • PBR1倍割れは割安のサインだが、ROEなど収益力の確認が大切
  • 銀行の自己資本比率は一般企業と目安がまったく違うので注意
  • 金利上昇は追い風になりやすいが、景気悪化・金利低下のリスクもある
  • 銀行株は一斉に動きやすいため、ポートフォリオで偏りすぎないことが重要

銀行株の特徴を理解すると、高配当株選びの幅がぐっと広がります。次回は「累進配当で人気の総合商社株|資源価格との関係と長期投資との相性」についてわかりやすく解説します。


※この記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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2024年の新NISAから株投資を開始した56歳の会社員。
毎日必ず1株以上の日本高配当株を購入して、株投資の初心者が日々成長して配当金100万円/年を目指しています。
株投資で今まで知らなかった企業の情報と日々の株を購入した成果を皆さんに伝えていきたいと思います。

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