前回の記事では権利確定日・権利落ち日の攻略法についてご説明しました。今回は、会社員の方に特におすすめしたい持株会と新NISAの違いと、賢い使い分け方を体験談をもとに解説します。
「持株会に入っているけどNISAも必要?」「持株会とNISAって何が違うの?」という疑問をお持ちの方にぴったりの内容です。
持株会とは?
持株会とは、会社員が給与天引きで自社株を購入・積み立てる制度のことです。多くの上場企業が従業員向けに導入しており、毎月一定額を積み立てながら自社株を購入できます。
持株会の主なメリット
① 奨励金がもらえる
多くの持株会では、購入金額に対して5〜10%の奨励金が上乗せされます。たとえば毎月1万円を積み立てると、1,000〜1,500円分の奨励金が加算されます。これは他の投資にはない大きなメリットです。
② 給与天引きで強制的に積み立てられる
毎月自動的に積み立てられるため、「使いすぎて投資できない」という心配がありません。
③ 1株未満の単元未満株で購入できる
通常の株式売買では100株単位(単元株)が基本ですが、持株会では1株未満の端株から購入できます。
筆者メモ 私は入社当時から持株会に参加しています。当初は「会社への貢献」という意識でしたが、奨励金という確実なリターンがあることに気づいてからは、資産形成の一環として真剣に向き合うようになりました。持株会は新NISAを始めるはるか前から続けてきた、私にとって最初の投資体験です。
持株会のデメリット・注意点
① 自社株への集中投資になる
持株会で購入できるのは自社株のみです。会社の業績が悪化すると、給与も減り株価も下がるという「二重のリスク」を抱えることになります。
② 売却がしにくい
持株会の株は自由に売却するタイミングを選びにくく、引き出し手続きに時間がかかる場合があります。
③ NISA口座で保有できない
持株会で購入した株はNISA口座での管理ができないため、売却益や配当金に約20%の税金がかかります。
持株会とNISAの違いを比較
| 持株会 | 新NISA(成長投資枠) | |
|---|---|---|
| 購入対象 | 自社株のみ | 日本株・米国株など幅広く選べる |
| 奨励金 | あり(5〜10%) | なし |
| 非課税 | 対象外 | 対象(利益・配当が非課税) |
| 分散投資 | できない | できる |
| 売却のしやすさ | やや手間がかかる | いつでも自由に売却可能 |
| 積立方法 | 給与天引き(自動) | 自分で購入 |
賢い使い分け方
持株会とNISAはどちらか一方ではなく、それぞれの強みを活かして併用するのがベストです。
持株会で活かすべき強み
- 奨励金を確実に受け取る
- 給与天引きの強制積立で着実に資産を積み上げる
NISAで活かすべき強み
- 非課税メリットを活かして高配当株や成長株に投資する
- 分散投資でリスクを分散する
- 自社株以外のさまざまな銘柄に投資する
おすすめの組み合わせ例
持株会:毎月1万円(奨励金で実質1.05〜1.1万円分の自社株を積立)
+
新NISA:毎月積立または毎日購入で高配当個別株を分散して積み上げる
筆者メモ 私自身は持株会を継続しながら、新NISAの成長投資枠を使って日本の個別銘柄を毎日少しずつ購入しています。持株会は奨励金があるので続けつつ、NISAでは自社以外の高配当銘柄に分散投資することでリスクを抑えています。配当金100万円の目標に向けて、この2つの制度を上手に組み合わせることが私の戦略の軸になっています。
持株会の株をNISAに移す方法
持株会で積み上げた株は、証券口座に引き出したうえでNISA口座に移すことができます。ただし一度売却してから買い直す必要があるため、売却益に税金がかかる場合があります。
移管の手順
① 持株会事務局に「引き出し申請」を行う
② 証券口座に株式が移管される
③ 必要に応じて売却し、NISA口座で買い直す
まとまった株数が積み上がってきたタイミングで、一部をNISAに移す計画を立てておくとよいでしょう。
持株会・NISA関連の情報はどこで確認できる?
- SBI証券:NISA口座開設・成長投資枠での個別株購入に対応
- 楽天証券:NISA口座開設・使いやすいアプリで人気
- Yahoo!ファイナンス:保有銘柄の時価・配当情報を確認可能
- JPX(日本取引所グループ):上場企業の株式情報を公式確認可能
- 国税庁:持株会・NISA関連の税務情報を公式確認可能
まとめ
- 持株会は奨励金と給与天引きの強みを活かした会社員向けの積立投資
- 新NISAは非課税メリットと分散投資の強みを活かした制度
- 持株会のデメリット(集中投資・非課税対象外)をNISAで補える
- 2つを併用することで、それぞれの強みを最大限に活かせる
- 持株会で積み上げた株は証券口座に移管してNISAで活用することも可能
持株会とNISAを上手に組み合わせることで、資産形成のスピードが大きく上がります。次回は「セクター分類と分散投資の考え方|リスクを抑えたポートフォリオの組み方」についてわかりやすく解説します。
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